フルーツセーフティ

トップ > 輸入フルーツの安全性 > 植物検疫

植物検疫

日本に輸入される植物は、青果物に限らずすべて、輸入時に植物防疫法に基づく検査を受けなければなりません。有害な動植物(病害虫)が日本に侵入して急激にまん延し、有用な植物に重大な被害を与えることを未然に防ぐためです。病害虫が発見された場合には、国の命令により、消毒、廃棄(焼却・積戻し)のいずれかの措置がとられます。

病害虫の例

農産物の病害虫は、ひとたび新天地に侵入すると、驚くほどのスピードで広範囲にまん延し、大きな被害をもたらすことがあります。

数ある事例の中から、いくつかご紹介してみましょう。

(1) ジャパニーズ・ビートルという名の汚名

日本に古くからいるマメコガネという虫は、国内では雑草や野バラ、野ブドウの葉などを食べて生活している取るに足らない害虫です。ところが、たまたまアメリカに日本からアヤメの球根に幼虫が付着したまま持ちこまれ、大豆やばれいしょなどの主要な農産物に大きな被害を与えたため、一躍大害虫になってしまいました。いまでは「出身国」にちなみ「ジャパニーズ・ビートル」と呼ばれ、諸外国から大変恐れられています。

(2) 22年間・200億円以上をかけたウリミバエとの戦い

いったん病害虫が侵入すると、それを根絶するのは非常にむずかしく、長い年月と莫大な費用をかけても成功する例はそう多くありません。南方から八重山群島に侵入し、沖縄全域に広がった「ウリミバエ」という果物や果菜の大害虫の場合は、22年の歳月と200億円以上の費用をかけ、しかも延べ44万人を動員して、やっと根絶することができました。これは、世界でも数少ない成功例として評価されています。

このような例からもわかるように、外国からの病害虫を防ぐには、最初から国内に侵入させないのがもっとも安全な方法です。そのため、日本をはじめ世界各国では輸入植物の検疫制度を設け、病害虫が自国内に侵入するのを防止しています。

植物検疫制度

日本の植物検疫制度では、輸入植物を3つのカテゴリーに区分して検疫を行っています。

(1) 輸入禁止植物

日本には存在せず、侵入した場合にきわめて大きな被害をもたらす恐れがあり、かつ、有効な検査方法がない病害虫の寄主となる植物がこれにあたります。これらの病害虫は、チチュウカイミバエ、ミカンコミバエ種群、コドリンガ、タバコベト病菌などで、法律により「輸入禁止対象病害虫」に指定されています。禁止対象の病原菌や害虫が発生している国で生産され、それらが付着する恐れのある植物は輸入が禁止されています。

(2) 条件付輸入解禁植物

輸入禁止植物であっても、日本への輸出を希望する国で完全な消毒等の防疫措置が確立された場合には、農林水産大臣の定める告示などに基づき、一定の条件をつけて輸入を認めています。このような制度により輸入が認められているものを、条件付輸入解禁植物といいます。これらの植物は、日本から派遣された植物防疫官と輸出国の検査官が一緒になって、防疫条件がすべて守られているかどうかを確認したうえで、日本に向けて輸出されます。平成19年7月現在、23の国や地域から、この制度のもとに果物などの植物が輸入されています。

(3) 輸入検査対象植物

上記(1)、(2)以外の植物がこれにあたります。これらの植物は、到着した海空港で病害虫(検疫有害動植物:下段参照)が付着していないかどうかの検査を受けなければなりません。病害虫が見つかった場合は、その種類によって殺虫処理・選別などの防疫措置がとられます。なお、塩漬け、砂糖漬けの植物、一部の乾燥植物は検査を必要としません。

防疫措置とその安全性

日本の植物検疫制度では、検疫措置方法として、次の方法を採用しています。

低温処理

低温に暴露することにより、害虫を駆除する方法。

熱処理

蒸熱・温湯により、害虫を駆除する方法。

くん蒸処理

化学薬品(臭化メチル、シアン化水素、リン化アルミニウム剤など)によってくん蒸し、害虫を駆除する方法。くん蒸剤として登録されている農薬しか使用できません。

これらの処理条件は農林水産省の告示で決められています。なかでも、くん蒸処理で使用される薬剤については、食品衛生法に基づいて、残留農薬基準が定められています。なお、これらの防疫措置は、条件付輸入解禁植物の場合は輸出国で、輸入検査対象植物の場合は輸入港で、いずれも植物防疫官の立会・監督のもとで基準どおりに行われていますので、安全性についての問題はありません。

検疫有害動植物とは?

検疫有害動植物とは、まん延して、有用な植物(農作物、森林、緑の資源など)に損害を与えるおそれがある有害動植物(病害虫)であって、次のいずれかに該当するものとして、省令で指定された有害動植物をいいます。

  •   国内に存在することが確認されていないもの
  •   既に国内の一部に存在しているが、国により発生予察事業その他防除に関し、必要な措置がとられているもの