フルーツセーフティ

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フルーツの栄養と健康効果

生活習慣病の予防効果など、果物類の健康効果が注目されています。バラエティ豊かなフルーツを食生活に取り入れて、健康増進を図りましょう。

果物には、健康維持に欠かせないビタミン類や、ミネラル類、食物繊維などが豊富に含まれています。また、生活習慣病の予防に効果があるさまざまな機能性成分も含まれており、世界各国の広範な疫学調査の結果、果物と野菜をたくさん食べると、がんのリスクも低減することがわかっています。

ビタミン

ビタミンC

果物には、抗酸化作用があるビタミンCが含まれており、鉄の吸収促進、白内障の予防、がん予防、抗ストレス等の効果があります。このため、「日本人の食事摂取基準(2005年版)」においては、その機能性を生かすために、推奨量が100mg/日に設定されています。さらに、喫煙者は非喫煙者に比べてビタミンCの代謝回転が1日当たり約35mg高いというデータがあり、喫煙者が非喫煙者と同量のビタミンCの体内貯蔵量を保つためには、非喫煙者より35mg以上のビタミンCを摂取する必要があります。また、受動喫煙者でも血漿ビタミンC濃度の低下が示されていることから、該当する人は非喫煙者以上にビタミンCを摂取することが推奨されています。ビタミンCは水溶性で加熱に弱く、調理することによって失われやすいため、生のまま食べられる果実で摂ると効率的です。

ビタミンE

ビタミンEは、フリーラジカルを消去して酸化を防ぎ、過酸化脂質の生成を抑制するという抗酸化作用と、抗酸化作用を介して生体膜を安定化させる作用があります。そのため、老化防止やがん、高血圧、動脈硬化、心臓病、白内障等生活習慣病の予防効果があります。「日本人の食事摂取基準(2005年版)」では、ビタミンE(α−トコフェロール)の摂取の目安量を、1日当たり7〜10mg としています。

ビタミンB群

ビタミンB1、B2、B6、葉酸等のビタミンB群、また、イノシトール等のビタミンB様物質は、エネルギーの供給や老廃物の代謝に関与しており、また相互作用によって機能を発揮しているので、どれが欠けても疲れやすくなります。また、かんきつに豊富に含まれているビタミンB6、イノシトールは脂肪やアミノ酸の代謝に関与し、脂肪肝の予防等の効果があります。葉酸はアミノ酸、核酸塩基の生成、また正常な造血作用のためにも重要で、成長・妊娠の維持に必要な成分です。妊娠中の女性で欠乏がみられることがあり、受胎前後における十分な摂取は胎児の神経系障害予防に効果があります。果物には豊富に葉酸が含まれており、効果的に摂取することができます。

カロテン

体内でビタミンAに変わるプロビタミンAで、代表的なものはβ-カロテンです。抗酸化性が強く、皮膚、粘膜を健康に保つ働きがあり、発がん作用を抑えたり免疫機能を活性化する作用が知られています。
ビタミンAは、成長に関与し、妊婦や乳児にとって特に必要なビタミンであり、その欠乏により胎児に先天異常が生じる危険があるので、妊婦、授乳婦では普通より多めの推奨量(それぞれ1日当たり70μg レチノール当量、420μg レチノール当量の付加)が設定されています。また、視力に関与する物質であり、視力を正常に保つ機能があります。

ミネラル

カリウム

神経の働きや筋肉の収縮などに関与しています。また、余分なナトリウムを体外に排出し、血圧をコントロールするので、高血圧の予防に役立ちます。

食塩(ナトリウム)は、高血圧や脳卒中等の脳血管疾患と深い関係があり、「日本人の食事摂取基準(2005年版)」において、食塩の1日当たり目標量は男性で10g未満、女性で8g未満とされています。しかし、近年の我が国における食塩の摂取量は11〜13gとなっています。カリウムには、こうしたナトリウムの排泄を促す効果があり、その摂取不足は高血圧を引き起こす一方、その積極的な摂取は血圧を低下させることが明らかとなっています。このため、「日本人の食事摂取基準(2005年版)」において、カリウムは高血圧予防の観点から1日当たり3.5gを摂取することが望ましいとされています。

果物には、カリウムが多く含まれていますが、ナトリウムはほとんど含まれていません。また、カリウムは調理によって溶出して失われやすく、例えば野菜を煮た場合の損失は約30%となるため、生でそのまま食べられる果物はカリウムを摂取するのに最適な食品であると言えます。

食物繊維

果物には、悪玉コレステロール(LDL)の上昇を抑える働きがあるペクチン等の水溶性食物繊維やセルロース等の不溶性食物繊維が多く含まれています。

食物繊維は、便秘の予防の他、糖質、脂質の分解を遅くしたり、発がん性物質等の体外への排泄、善玉菌と呼ばれるビフィズス菌等の大腸内での増加促進等により生活習慣病を予防したりする効果があります。かつて日本人は食物繊維を多く摂取していましたが、現在の摂取量は1日当たり11〜16g程度で、良好な栄養状態を維持するのに十分な量である目安量(15〜27g)を下回っており、当面の目標量を15〜20gとしています。

機能性成分

植物に含まれる栄養素以外の成分を、フィトケミカル(phytochemical)といいます。このフィトケミカルには、活性酸素を消去したり、免疫力を活性化したりする働きがあり、がんなどの生活習慣病を予防する効果があることがわかってきています。

ポリフェノール類

植物に含まれている色素や苦味、渋みの成分で、多くの果物に含まれています。代表的なものとして、フラボノイド、アントシアニン、カテキンが挙げられます。

フラボノイド

果物の果肉などに含まれる無色や淡黄色の色素で、苦味をもつものもあります。毛細血管を保護する働きのあるものが多く確認されています。

フラボノイド類(アントシアニン類、フラボン類、ヘスペリジン、ナリンギン等)は、かんきつ(特に果肉を包んでいるじょうのう膜)に多く含まれ、発がん抑制効果や、ビタミンCの機能を高めて毛細血管を丈夫にし出血を防いだり、血圧を降下させたりする効果があります。

アントシアニン

赤や赤紫色の天然色素として利用されてきた成分です。抗酸化作用、動脈硬化抑制作用、がん予防などに効果的であるとの報告がなされています。

カテキン

カテキン類は、果物の味に深みを与える等食味を構成する成分で、多くの果物に含まれており、殺菌作用による口臭の予防や抗酸化作用による動脈硬化予防やがん予防等の効果があります。

リモノイド

かんきつ類の苦味成分の一つで、ほとんど全てのかんきつ類に含まれています。がんを予防する効果が期待できるフィトケミカルです。抗がん作用、抗腫瘍効果が動物実験などで確認されています。

有機酸

果物を食べたときに感じる酸味は、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等の有機酸で構成されており、爽快で清涼感を与えてくれます。有機酸は果物自体の呼吸に使われるため、貯蔵することにより減少します。

クエン酸はかんきつに多く含まれますが、その他の果物にも含まれる酸味成分です。クエン酸やリンゴ酸は、糖質がエネルギーに順調に転換していくためにビタミンB群とともに不可欠な成分であり、疲労防止に効果があります。有機酸は鉄の吸収を高めるので、貧血の防止効果があります。

糖分

果物には、主にブドウ糖、果糖、ショ糖(砂糖)の3種類の糖分が含まれています。多糖類であるでんぷんや二糖類であるショ糖は、人間の消化器官で、単糖類であるブドウ糖、果糖に分解された後、体の各器官のエネルギーとして利用されます。従って、ブドウ糖や果糖の多い果物は、素早くエネルギーにできるため疲労回復等の効果が早く発揮されます。

また、体の各器官は糖質、脂質、タンパク質のいずれもエネルギー源として利用しますが、脳は糖質(つまり最終的にはブドウ糖の形で)しかエネルギー源にできません。このため、ブドウ糖が多く含まれている果物は脳を効率的に働かせる効果もあります。

「甘い果物で太る」は本当?

フルーツは「甘いのでカロリーが高い」と誤解されがちですが、実際のカロリーは低く、脂質、炭水化物の量も菓子類を大きく下回っています。フルーツが、ショ糖の1.15〜1.73倍の甘味度を持つ果糖を多く含み、より甘く感じられることも誤解を強めているようです。

また、「フルーツに多く含まれる果糖は脂肪の合成を促し、肥満や糖尿病の原因となる」という話を耳にすることがあります。ブドウ糖に比べて果糖が中性脂肪に変わりやすかったという実験結果に基づいたものです。しかし、この実験は摂取カロリーの20%を果糖から摂取しており、この条件を満たすためには1日に2700kcal摂取する人の場合少なくとも約30個のミカン(約3kg)を食べなくてはなりません。これは現実に食べる量とはずいぶんかけ離れています。

甘いフルーツが高カロリーで、肥満や糖尿病の原因となるという考えは大きな誤解であり、通常の量を食べていれば問題ないことが分かります。その上フルーツにはビタミンやミネラルなどの栄養素も様々含まれています。健康ためにも1日200gを目標にフルーツを摂取したいものです。