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ポストハーベスト農薬

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ポストハーベスト(Postharvest)は、英語で「〜の後」を意味する「ポスト(Post)と、「収穫、取り入れ」を意味する「ハーベスト(Harvest)」が結びついた語句で、本来は「収穫後の」とか「収穫以降に」という意味です。

海外では、収穫された農産物の品質を保持するために行われる、様々な処理を総称して、「Postharvest Application」と呼んでいます。収穫後に農薬を使用するのも、害虫やかびなどの発生により、農産物が貯蔵・輸送中に損失するのを防ぐのが目的です。このような処理は、農薬の使用方法のひとつとして、諸外国では広く認められているのです。

我が国でも、主にくん蒸剤ですが、収穫後に使用することが認められている農薬があります。しかし、使用目的が非常に限られているので、消費者にはほとんど知られていないようです。そのために「ポストハーベスト農薬」は、収穫前(プレハーベスト)に使用される農薬とは別のもの、と思われがちです。

また、マスコミも勘違いして、「日本ではポストハーベスト農薬は禁止されている」などと、書いてある記事がたまに目につきます。こうした混乱を招いている原因として、日本と諸外国では農薬の定義が、異なるということがあげられます。

我が国では「農薬取締法」により、農薬とみなす物質を定義していますが、「ポストハーベスト農薬」としては、特に規定されていません。ところが、FAO(国連食糧農業機関)/WHO(世界保健機関)の合同食品規格委員会(Codex Alimentarius Commission:CACまたはCodex委員会)および諸外国では、農薬とは「生産・輸送・貯蔵の過程で使用される物質」というように、収穫後(輸送・貯蔵)の使用を明記しています。

米国でも、使用時期によって農薬を区別しているわけではありません。ただ、EPA(環境保護庁)が、「ポストハーベスト農薬」として使用する場合は、それを前提にして残留基準を定め、登録の際に使用方法を限定して許可しています。

一方、我が国では厚生労働省が、食品衛生法に基づいて残留農薬基準を設定しています。そのなかには、海外で「ポストハーベスト農薬」として使用が認められているものが含まれています。けれども、厚生労働省としては、農薬の使用時期が収穫の前か後か、ということよりも、どのような農薬がどれくらいの濃度で残っているか、ということのほうが、食品の安全性を確保するためには重要である、として、残留農薬基準の中では、プレ・ポストの区別をしていません。

しかし一方で、収穫後に使用される農薬のうち、殺菌・防かびなどのように保存性を向上させるためのものを、食品添加物に指定しています。食品衛生法では、食品の保存などの目的で使用する物質を、食品添加物として定義しているからです。食品添加物は、厚生労働大臣の許可がなければ使用できません。また、使用する場合はその旨を表示しなければならないことになっています。このような殺菌・防かび剤が検出された場合に、残留している量の多少を問わず、使用時期が問題にされてしまうのは、おかしなことです。