
トップ > ご質問にお答えします! > テーマ別Q&A(栄養と健康について)
各種フルーツに関する皆様の疑問にお答えします。
| Q1. | どうやってイチゴの種をとって植えるのですか? |
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イチゴは他の果物と違い、外側に種がたくさん付いています。種は、イチゴ1個に50個から450個あると言われています。スーパーなどで買うイチゴは「種」からではなく「ランナー」と呼ばれる親株から出てきたつるを苗にして育て、イチゴを収穫します。
イチゴから種を取るには、実の外側を薄く切って乾燥させてから、種を剥がします。水を十分に与えた土にぱらぱらと種を蒔いて、直射日光の当たらない風通しの良い場所に置いて下さい。土が乾かないように水をあげて育ててみて下さい。
| Q2. | 輸入イチゴでジャムを作ったら、黒っぽくなってしまいました。農薬のせいでしょうか? |
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果物や野菜には、黄色や紅色のカロチノイド色素、緑色の葉緑素の他に、赤色や紫色のアントシアニン色素が含まれています。このアントシアニン色素は、酸性ではきれいな鮮紅色になりますが、アルカリ性では濃青色や紫色になる性質があります。
イチゴは、品種にもよりますが、輸入、国産を問わず生食用のものには香りや甘味が強くても、酸の量 が少ないものがあります。酸の少ないイチゴでジャムと作ると、アントシアニン色素が黒っぽい色やあせたような色になってしまうことがあります。ジャムを作る前に食べてみて、酸味の少ないイチゴには、レモン汁を加えてジャムを作ると、鮮やかな赤い色にできあがります。せっかく作ったジャムが黒っぽい色でがっかりなさったことでしょうが、それは農薬のせいではありません。
ゼリー状のおいしいジャムを作るには、イチゴのように、ペクチンという植物の細胞膜を形成している成分がたくさん含まれている果 物が適しています。そして、溶け出してきたペクチンの粘性を高めてどろりとさせ、きれいな赤い色に仕上げるためには、砂糖と酸が必要です。市販されているジャムにも、クエン酸、アスコルビン酸などの有機酸やペクチンなどを添加しているものがあります。
| Q3. | オレンジとミカンのそれぞれの良さと違いを教えてください。 |
|---|
オレンジとミカンは、どちらも柑橘類という仲間の果物です。
柑橘類には他にもグレープフルーツやレモンなどたくさんの種類があり、ビタミンCやすっぱさのもとであるクエン酸が多いなど、同じような特徴を持っています。
私達が食べているオレンジの多くはバレンシアオレンジです。また、私達がミカンと呼んでいるのはウンシュウミカンの事です。
バレンシアオレンジは、主にヨーロッパやアメリカで作られています。皮が厚く、良い香りがします。柑橘類の中でもバレンシアオレンジは、ヘスペリジンという成分を多く含みます。ヘスペリジンはビタミンCの吸収を助けたり、毛細血管という細い血管を丈夫にしたりすると言われています。
ウンシュウミカンは、日本などの東アジアを中心に、近頃ではニュージーランドなどでも作られています。香りは弱いですが、皮が薄くてむきやすく、タネもほとんどありません。ウンシュウミカンにはβ-クリプトキサンチンという成分がたくさん含まれています。β-クリプトキサンチンは体の中でビタミンAに変わります。がんを防ぐなど、さまざまな働きがあると期待されています。
| Q4. | 輸入かんきつでマーマレードを作っても大丈夫ですか? |
|---|
果皮ごと料理に使っても問題ありません。
輸入かんきつ類は、輸送・保管中にカビが生えたりしないように、収穫後に防かび剤を使用することがあります。収穫後に使用されるため、マーマレードなど、果皮を料理に利用する場合、安全性について心配する声を耳にします。
食品衛生法では、かんきつ類は丸ごとそのまま料理に使っても健康に影響をおよぼさないように、果皮も含めた全果に残留基準を設定しています。また、残留農薬検査では、洗わずに、果皮を剥かない状態の農産物を検体にしており、丸ごとの安全性がチェックされています。検査結果を見ても、国産品、輸入品とも、残留農薬の検出率は2%未満(表参照)という低いレベルですから、果皮ごと料理に使っても問題はありません。
また、マーマレードを作る過程で、ゆでこぼしや水洗い、加熱などの処理をすることで、農薬の残存率が減少している調査結果がありますのでご紹介します。この調査では、レモンの果皮を煮る際に、ゆでこぼし、すすぎ洗いをした後に、果汁、水分、砂糖などを加えて加熱しマーマレードを作成しています。この処理によって、調理前の農薬の残存率を100%とすると7農薬中4農薬は0%に減少し、3農薬では22%〜44%に減少したことが分かりました(津村ゆかりほか、食品衛生学雑誌第33巻 258-266より)。
また、つやだしや品質保護に使われるワックスは、それ自体、食べても安全なやし油などを使用していますが、これも、加熱すると表面に浮き上がってくるので、ゆでこぼすことでほとんどなくなります。
国産・輸入 |
検査農薬数 |
検査件数 |
検出数 |
検出率 |
違反件数 |
|
|---|---|---|---|---|---|---|
オレンジ |
国産 |
106 |
247 |
3 |
1.21% |
0 |
輸入 |
245 |
9739 |
114 |
1.17% |
0 |
|
レモン〔全果〕 |
輸入 |
234 |
7291 |
102 |
1.40% |
0 |
(社)日本食品衛生協会「平成16年度版 食品中の残留農薬」より作成
| Q5. | レモンの皮は安全ですか?また、オレンジの皮を料理やお菓子作りに利用しても大丈夫でしょうか? |
|---|
レモンやオレンジの皮に残留する可能性があるのは防かび剤として使われることもある食品添加物です。これについては、厚生労働省が食品添加物の使用基準を定め、きちんと遵守されているかどうかチェックしています。
この基準を設定するにあたっては、各食品に基準値の上限まで添加物が残留していると仮定した場合に、それらの食品を経由して摂取される量の合計がADI(※)を超えることのないように定められます。
東京都が行っている防かび剤の検査結果によると、OPP(オルトフェニルフェノール)やTBZ(チアベンダゾール)などは、ほとんどのものからは検出されず、検出されたとしてもごく微量です。
このごく微量に残っているかもしれない防かび剤も、水洗いすることで、除去されます。衛生的な面 からもよく水洗いすることは大切です。
レモンの皮をむいて出す飲食店もあるようですが、かんきつ類の香りの成分は、皮に含まれる精油中に溶けこんでいます。紅茶にレモンを入れると、油が浮いたように見えることがあります。それが香りを放っているのです。レモンの皮をむいてしまっては、せっかくの香りを楽しむことができません。
オレンジの皮もレモンと同様に心配ありません。よく洗って、マーマレードやピールなどお作り下さい。
(※)ADI(一日摂取許容量)
「人が一生涯にわたって毎日摂取し続けても健康に影響を及ぼさないと判断される量」通常長期の動物実験から、投与した農薬が何ら影響を及ぼさない量を求め、さらにその量に安全係数(通例1/100)を乗じて設定されます。
| Q6. | マーマレードを作るとき、オレンジの果皮を塩水につけるのはなぜでしょうか? |
|---|
A. 苦味抜きのためです。
マーマレードのおいしさのひとつにかんきつ類の果皮の苦味があります。しかし、そのままの果皮でマーマレードを作ったのでは苦味が強すぎるので、苦味抜きをします。果皮を塩水につけるのも苦味抜きのひとつで、塩水と果皮との浸透圧差により細胞中の苦味成分が皮の外に出ていくと考えられます。ゴーヤなど苦味のある野菜を料理するときに、塩もみをするなどして苦味を取り除くのと同じです。
かんきつ類の果皮の苦味のもとはナリンギンやリモニンといった成分で、最近では機能性成分として注目を集めています。これらは果皮に多く含まれるので、マーマレードなどのように果皮を食事に組み込むことで効率よく摂取できるでしょう。
果皮を食べる場合、防かび剤や農薬が気になることもありますが、かんきつ類は、食品衛生法で果皮も含めた丸ごとの状態で残留基準を設定しています。そして、洗わずに果皮つきのまま残留農薬検査をし、安全性をチェックしています。平成14年農産物中の残留農薬検査結果によると、輸入オレンジで残留農薬が検出されたのは、わずか1.1%という低い検出率でした。東京都が平成16年度に実施した検査結果によるとオレンジで、イマザリル、OPP、チアベンダゾールといった防かび剤で基準を超えて残留したものはありませんでした。
果皮を水洗いしたり、ゆでこぼしたりすることで残存率が減少することも確認されていますので、果皮ごと料理に使ってもまったく問題ありません。
| Q7. | 市販のオレンジや夏みかんなどの皮で手作りママレードを作る時、農薬は気にしなくてもよいのでしょうか? |
|---|
農薬は一般的に皮に残りやすいので、料理やお菓子に皮を使うとき心配される方もいます。
しかし食品衛生法に基づく残留農薬基準は、オレンジやレモンでは、果肉の部分だけでなく皮などを含めた丸ごとの果実が対象になっています。つまり丸ごと食べても安全なように管理・規制されていますので、皮だけ食べるママレードなどでも気にされることはないでしょう。
詳しくは「輸入かんきつでマーマレードを作っても大丈夫ですか?」をご覧下さい。
| Q9. | かんきつ類の果皮に白い斑点がついていましたが、これは農薬でしょうか? |
|---|
農薬ではなく、食品添加物の光沢剤と考えられます。グレープフルーツ、レモン、オレンジなどのかんきつ類には、新鮮さを保つために光沢剤が使用されることがあります。かんきつ類の果皮に光沢剤を塗布することにより、つやのある被膜をつくり、水分の蒸散を防ぎ、品質を保持するためです。
めったにないことですが、かんきつ類に光沢剤が均一に塗布されなかったため、その後乾燥して光沢剤が固結してしまったものと思われます。このような状態になったものが白い斑点として現れたのでしょう。安全上の問題はありません。
光沢剤は、天然物由来のワックスと樹脂に分類されます。植物性ワックスではブラジルロウヤシから作られるカルナウバロウ、ミツバチの巣から作られるミツロウ、天然樹脂ではラックカイガラムシが樹液を吸って分泌した物質であるシェラックなどがあります。いずれも長い食経験があり、国際的にも広く使用されています。
こういった光沢剤はかんきつ類以外にも糖衣菓子、甘栗、キャンデー、チョコレート、チーズ、ガムベースなどに、防湿、つや出し、品質保護などを目的として使用されています。また、カルナウバロウやミツロウは、口紅の主成分としても使われています。
| Q11. | レモンはどうしてすっぱいのですか? |
|---|
レモンがすっぱいのは、有機酸という成分がたくさん含まれているからです。多くの果物は、すっぱさの元になる有機酸を0.3〜2%くらい含んでいますが、レモンには6〜7%も含まれています。
有機酸にもいくつかの種類がありますが、レモンにはクエン酸という種類のものが特に多く含まれています。ほかにはリンゴ酸や酒石酸という有機酸があり、リンゴにはリンゴ酸が、ブドウには酒石酸とリンゴ酸が多く含まれます。
| Q12. | 紅茶に入れるレモンは、皮をむいたほうがよいのですか? |
|---|
日本人が、紅茶に入れるレモンの皮をむくようになったのは、どうしてかご存知ですか?
それは輸入レモンに使用されていたOPP(殺菌剤)が、食品添加物に指定された1977年に端を発します。ついで、1988年頃に、ベトナム戦争で使用された枯れ葉剤の成分である2,4-D(除草剤)が、かんきつ類に使用されているとマスコミが誤って報道したため、「レモンは皮をむいたほうがいい」と盛んにいわれるようになりました。
いまでも、レモンティーを注文すると、レモンの皮をむいてくるホテルや喫茶店があります。では、本当に紅茶に入れるレモンは、皮をむいたほうがいいのでしょうか。答えは「ノー」です。
輸入レモンの皮に残留する可能性のある農薬や、収穫後に使用される食品添加物については、厚生労働省が残留農薬基準や食品添加物の使用基準を定めています。その基準が遵守されているかどうかは、輸入時に厚生労働省検疫所が水際でチェックしています。ただ、「だから安心です」といっても納得しない人もいますので、もう少しご説明しましょう。
買ってきたレモンを紅茶に入れる前に、洗わない人はほとんどいないはずです。ごく微量 に残っているかもしれない農薬も、このように水洗いするだけで、そのほとんどは流されてしまいます。さらに、農薬には揮発性の物質が多いので、熱い紅茶に入れると、すぐに飛んでしまいます。ですから、レモンティーから私たちの口に入れる農薬の量は、ほとんどないに等しいといってよいでしょう。
むしろ、レモンの皮をむくことで、失っているもののほうが多いくらいです。例えば、レモンの香気成分は、皮に含まれる精油の中に溶け込んでいます。紅茶にレモンを入れると、まれに油が浮いたように見えますが、あれが香りを放っているのです。せっかく香りを楽しもうとしてレモンティーを飲んでも、そこに入れるレモンの皮をむいてしまっては、もともこもなくなってしまいます。
| Q13. | グレープフルーツには、果肉が淡黄色のものと赤みがかったものがありますが、栄養成分は同じなのでしょうか? |
|---|
果肉が赤いグレープフルーツには、β-カロテンが多く含まれています。果肉が淡黄色のグレープフルーツは、ホワイトといい、一方、果肉が赤みがかったものは、ルビーとよばれています。ルビーは酸味が少なく食べやすいのが特徴で、果皮はほとんどホワイトと変わりませんが、少し赤みがかった部分がみられます。
栄養成分はほぼ同じですが、ルビーにはβ-カロテンが多く含まれています(表)。ルビーの赤い色は、主にこのβ-カロテンとリコペンという色素によるものです。
β-カロテンもリコペンも、カロテノイドの一種です。カロテノイドには、抗酸化作用があり、体内で発生する活性酸素を速やかに消去するため、がんや生活習慣病を予防する働きや免疫力を活性化する作用があることが知られています。また、β-カロテンは、生体内でレチノイドに変わるプロビタミンA(ビタミンAの前駆体)でもあります。リコペンには、ビタミンAとしての効力は期待できませんが、強力な抗酸化作用があります。
グレープフルーツには、このほかにもリモノイドという抗酸化物質が、ルビー・ホワイトのいずれにも含まれています。リモノイドは、ほとんどのかんきつ類に含まれる苦味物質ですが、がん細胞の増殖を阻害する作用が認められ、高コレステロールの治療にも役立つ可能性があることが、1999年の米国化学協会(American Chemical Society)シンポジウムにおける米国農務省農業研究サービスの科学者グループの発表などによって報告されています。(参考文献:「第六次改定日本人の栄養所要量」健康・栄養情報会編集)
栄養素 |
ホワイト |
ルビー |
|
|---|---|---|---|
エネルギー |
38kcal |
- |
|
タンパク質 |
0.9g |
||
脂質 |
0.1g |
||
カリウム |
140mg |
||
カルシウム |
15mg |
||
マグネシウム |
9mg |
||
鉄 |
Tr** |
||
ビタミンA |
カロテン* |
0μg |
410μg |
レチノール当量 |
0μg |
68μg |
|
ビタミンB1 |
0.07mg |
- |
|
ビタミンB2 |
0.03mg |
||
ビタミンB6 |
0.04mg |
||
葉酸 |
15μg |
||
ビタミンC |
36mg |
||
食物繊維 |
0.6g |
||
β‐カロテン当量**含まれているが最小記載量に達していない
| Q14. | グレープフルーツジュースで降圧剤を飲むのはよくないと聞きましたが・・・ |
|---|
(社)日本薬剤師会によると、たしかに降圧剤の中には、グレープフルーツジュースとの飲み合わせが問題となるものがあるそうです。高血圧の人が服用する降圧剤には、主要なものが3種類あります。1.β-遮断剤、2.ACE阻害剤、3.カルシウム拮抗剤ですが、このうち問題となるのは3のグループ です。
人が薬を服用すると、肝臓などを中心に薬物代謝酵素が働き、薬を無毒化しようとします。ところが、カルシウム拮抗剤をグレープフルーツジュースといっしょに服用した場合、グレープフルーツジュースによって、この酵素の作用が抑制されることがあるのです。その結果、薬がうまく分解されず、薬の作用が強く出て、血圧が低下しすぎる恐れがあります。そして、副作用発現の原因ともなりかねません。
このような薬と食品、また薬同士の「飲み合わせ」について、病院や薬局で薬を渡す時に説明したり、大衆薬の場合は、使用上の注意で「水で服用する」などと記載したりしているので、こうした指示を守ることが大切でしょう。
今回の質問は果実のグレープフルーツではなく、そのジュースについてのものですが、現在何らかの薬を服用していて、飲み合わせが気になる方は、お医者さんに相談してみてはいかがでしょうか。
| Q16. | グレープフルーツを食べたら、くちびるがヒリヒリしました。農薬ではないでしょうか? |
|---|
グレープフルーツには、独特の苦味があります。この適度な苦味が風味をいっそう引きたてていることも、グレープフルーツが日本人に好まれる理由のひとつとなっています。
この苦味の成分は、ナリンギンというフラボノイドの一種です。かんきつ系果物には、リモノイドというもうひとつの苦味成分が含まれています。これは、ほとんどすべてのかんきつ類に含まれているのに対して、ナリンギンは、ナツミカン、ブンタン、ハッサク、グレープフルーツなどの特定のかんきつ類にしか含まれていません。これらは、いずれも特有の風味を持っているのえ、なるほど、と思う人もいるのではないでしょうか。
まだ若いグレープフルーツを食べて、ごく稀にヒリヒリ、チクチク感を感じることがあるのは、このナリンギンによるものです。
ナリンギンの結晶は細く先端の鋭い針状の結晶で、皮膚の弱い人などでは、刺激を受けてヒリヒリしたり、かゆみを感じたりすることがあるようです。
同様の針状結晶を持つ果物成分としては、キーウィフルーツやパイナップルなどに含まれるシュウ酸カルシウムがあります。特にパイナップルは、合わせ持つたんぱく質分解酵素(ブロメライン bromelin、別名ブロメリン)の作用もあって、皮膚の弱い人では刺激を受けることがあるようです。このような刺激によるヒリヒリを、専門的には「刺激性接触皮膚炎」と呼んでいます。
ナリンギンもシュウ酸カルシウムも、グレープフルーツやパイナップルなどの常在成分で、安全性には問題はありません。これらの成分は、まだ若い果 物に多い傾向がありますので、刺激に弱い人は、なるべくよく熟した果物を選んで食べるようにした方がよいでしょう。
| Q19. | キウイフルーツをリンゴといっしょにしておくと追熟すると聞いたのですが、それはどうしてですか? |
|---|
キウイフルーツは、まだ硬いうちに収穫し、追熟して食べます。早く食べたいと きは、外部からエチレンを与えると、追熟が加速されて、ブドウ糖や果糖などの糖類が増え、有機酸が減少しておいしくなります。
エチレンは、果実の成熟や追熟を促進する植物ホルモンです。とくにリンゴは、果物のなかでもエチレンをたくさん生成するので、キウイフルーツをリンゴといっしょにポリ袋に入れて、室温で保存しておくだけで、効果的に追熟が進みます。追熟は温度が高いほど促進されますから、ときどき外側から触れてみて、少し柔らかくなったら食べるようにしましょう。
しかし、エチレンに対する反応は、果物の種類によって異なります。かんきつ類や ブドウ、イチゴなどのように、外部からエチレンを与えても、ほとんど影響を受けないものもあります。
また、追熟が進むと、逆に品質の低下が早まるため、果物の鮮度を保つには、エチレンの除去が重要です。青果物の鮮度保持剤として、エチレンを吸着する活性炭や、エチレンを分解する過マンガン酸カリなどが開発されています。
| Q24. | バナナとパイナップルの種はどこに付いていますか? |
|---|
バナナを輪切りにすると、中心のあたりに小さな点のようなものが見えます。これはバナナの種の名残です。
現在、私たちが食べているバナナには種がありませんが、昔はバナナにも種がありました。あるとき遺伝子の突然変異によって、偶然に種の無いバナナができ、その種の無いバナナが広まったと考えられています。バナナは根から出てくる新芽を苗として育てるので、種が無くてもどんどん増やす事ができます。
食用にはあまり使われていませんが、今でもフィリピンやマレーシアには種のあるバナナが残っています。
普段パイナップルを食べていても、あまり種を見かけません。
多くの果物は、種ができないと実が大きくなりませんが、パイナップルは、種ができてもできなくても大きくなります。パイナップルは自分の花粉では種ができないので、ほとんどのものに種はありません。ですが、何かしらの理由で異なる品種のパイナップルの花粉がめしべにつくと、種ができます。パイナップルの皮の、松かさに似た突起のひとつひとつが花にあたります。
パイナップルによって差がありますが、外側から1〜1.5cmくらいのところを探してみると、ごまつぶ状の種が見つかることがあります。
| Q25. | 生のパイナップルを食べたら、舌がピリピリと痛くなりました。農薬ではないかと気になります。 |
|---|
よく熟した、生のパイナップルはとてもおいしいものですが、舌にピリピリとした刺激を感じることがあります。
それは、パイナップルに含まれているブロメライン(bromelin, 別名ブロメリン)という強力なたんぱく質分解酵素が、舌の粘膜を刺激するためではないかといわれています。缶詰のパイナップルを食べても舌がピリピリしないのは、加熱によって酵素の働きが失われてしまったからです。
ブロメラインは、お料理をするときにも、他の食材に対していろいろな働きをします。例えば、肉とパイナップルをいっしょにさっといためたり、付け合わせに用いると、肉を柔らかくし、消化もよくなります。一方、生のパイナップルを使ってゼリーを作ると、この酵素によってゼラチンが分解され、固まらなくなってしまうことがあります。この場合は、あらかじめパイナップルを加熱して、酵素の働きを失わせておく必要があります。パイナップルからブロメラインを抽出して、肉を柔らかくするための食品添加物がつくられているほどです。
その他にも、パパイヤにはパパイン、キーウィフルーツにアクチニジン、イチジクにフィシン、メロンにククミシンなどのたんぱく質分解酵素が含まれています。これらの果物を食べたときに、刺激を感じることがありますが、いずれも農薬とは全く関係ありません。
| Q26. | パイナップルの保存温度は7℃前後が適しているというのはなぜでしょうか? |
|---|
パイナップルは熱帯原産であるため寒さに弱く、低温で長期保存すると、細胞の機能が損なわれ、変色することがあります。かといって、高い温度では呼吸が盛んになり、果実に蓄えられたエネルギーを消耗して新鮮さが失われてしまいます。そのため一般的に、品質を保持しながら長く保存できる最適な温度は7℃前後といわれています。なお、食べるまでの短い時間であれば7℃以下でも急に変化することはありません。ほとんどの果物には果糖が含まれるので、適度に冷やしたほうがより甘みを強く感じて、おいしく食べられます。
| Q29. | なぜバナナの皮には、スジがあるのですか? |
|---|
植物の茎には、根から水分を吸収したり、葉でできた養分を運ぶ役割をする管があります。これを維管束といいます。
バナナのスジはこの維管束の部分にあたり、木になっている時に、バナナ全体に栄養を運ぶ役割をしています。みかんの皮をむいた時に見える白いスジも同じ役割をしています。
なお、バナナの「木」は実際には木ではなく、草ですが、葉柄が何層にも重なって太い茎状になり、それがまるで木のようにみえるのです。
| Q30. | バナナは、どうして黄色くなるのですか? |
|---|
バナナの皮には、もともとクロロフィル(葉緑素)という緑色の色素成分と、カロテノイドという黄色の色素成分の両方が含まれています。
まだ熟していないバナナの皮は、クロロフィルの量が多いので緑色です。しかし、クロロフィルの量はバナナが熟すにつれてだんだん少なくなり、十分に熟して果肉が甘くなった頃にはカロテノイドの量よりも少なくなってしまいます。そのためバナナは黄色くなるのです。
なお、熟すということは、デンプンが分解され、糖分が増える現象です。これによって、甘くなり、黄色くなります。
| Q34. | バナナを冷蔵庫に入れないほうがいいと聞きましたが、それはなぜですか? |
|---|
食品を温度の低いところに保存しておくと腐りにくくなることは、古くから経験的に知られています。果物も多くのものは、低温貯蔵により、日持ち期間をある程度延長することができます。しかし、熱帯性あるいは亜熱帯性の果物(バナナ、マンゴー、パイナップル、グレープフルーツなど)は、ある温度以下に一定期間置くと、代謝機構の調節ができなくなり、果肉や果芯の褐変などを起こして腐敗するものもあります。これは病原菌とは関係なく、低温で発生する品質の劣化なので「低温障害」といいます。といっても、このような障害を起こす時の温度は、細胞中の水が凍る温度よりかなり高いので、低温障害を受けやすい果物は、もともと低温によって生理的な変化を起こしやすいものと考えられます。
ご質問のバナナも低温障害を受けやすく、12〜13℃以下で保存すると、褐変や追熟不良が起きてしまうので、冷蔵庫には入れないほうがよいのです。一般に果物は、冷やしてから食べるのがふつうです。果物に含まれている果糖は、糖類の中では最も甘味度が強いのですが、冷たいほうがさらに甘味を強く感じます。含有量に差はあっても、ほとんどの果物には果糖が含まれるので、適度に冷やしたほうがよりおいしく食べられるのです。
バナナのように低温障害を受ける果物にも、もちろん果糖が含まれています。長時間の冷蔵保存は適しませんが、食べる少し前に短時間冷やせば、さらにおいしく食べられます。
| Q35. | リンゴやバナナは、皮をむいて置いておくと、なぜ色が変わるのですか? |
|---|
リンゴやバナナの果肉には、クロロゲン酸やタンニンなどのポリフェノール類が含まれています。また、ポリフェノール類を含む組織には、これを酸化する酵素(ポリフェノールオキシターゼ)も含まれ、皮をむいたり、すりおろしたりして組織を傷つけると、空気に触れて両者が反応し、メラニンという褐色の物質が生成されます。皮をむいたリンゴやバナナが変色するのはこのためです。このような現象を一般に、「褐変(browning)」と呼んでいます。褐変はゴボウ、レンコン、ナスなどでも起こります。
褐変を防ぐには、空気に触れさせない、もしくは酵素の働きを阻害することによって、酸化反応をブロックすればよいわけです。家庭では、食塩水やレモン汁を利用する方法が最も手軽です。
リンゴの場合、うすい食塩水に浸す方法が経験的に知られ、昔から行われてきました。これは空気中の酸素をしゃ断すると同時に、食塩が酵素の作用を阻害することを利用したものです。しかし、食塩水につけると塩からくなり、リンゴの風味を損なうこともあるため、あまり好まない人もいます。そのような場合は、食卓に出すまで、水につけておくだけでもよいでしょう。空気に触れないので酸化を防いでくれます。また、ポリフェノール類も酵素も水溶性なので、多少は水に溶け出していきます。
バナナの場合は、レモン汁をふりかけておくとよいでしょう。レモンに含まれるアスコルビン酸(ビタミンC)の還元作用によって、褐変を防止してくれます。なお、色が変わっても見ためが悪くなるだけで、有害なものではありません。
| Q36. | バナナの芯の部分が黒かったのですが、食べても大丈夫でしょうか? |
|---|
A.バナナの芯の部分が黒くなっていることがまれにありますが、食べても安全上の問題はありません。
バナナの先端部分(花がついていたところ)は、受精後に硬く閉じた状態となり、タンニンという成分が多くなって果肉の芯の部分まで黒くなることがあります(写真1)。タンニンはお茶などにも含まれるポリフェノールの一種ですので、食べても問題はありません。
そのほかにも、芯の周りや果肉の一部が黒くなることがあります(写真2)。これは、梱包や輸送などの作業によって外から圧力が加わったり振動を受けたりした場合、果肉の細胞壁が壊れ、タンニンが酸化酵素と反応して黒くなる生理現象です。

| Q38. | バナナはエネルギー効率がよいといわれますが、どういうことですか? |
|---|
熟したバナナにはショ糖、ブドウ糖、果糖などいろいろな種類の糖が含まれています。まだ熟していない緑色のバナナにはデンプンしかありませんが、成熟するにつれてデンプンはショ糖、ブドウ糖、果糖などいろいろな種類の糖に分解されます。それぞれの糖は体に吸収される速さが異なるため、時間とともに徐々にエネルギーに変化していきます。ですから、バナナを食べるとエネルギーが効率よく使われるのです。バナナが瞬発力、持続力両方によい理想的なエネルギー源といわれるのはそのためです。
| Q39. | ブドウの実の中のたねをまけば、家でも木は生えますか? |
|---|
実の中の種を蒔くと、ちゃんと芽が出てきます。うまく育てれば数年後に実がなりますが、種から育てて実ったブドウは、元のブドウと全く同じ物にはなりません。例えば巨峰を食べたとすると、食べた実の部分は巨峰の遺伝子を持っていますが、実の中の種の遺伝子は、受粉した花粉の遺伝子と交配してできるため、巨峰の遺伝子とは違う物になるからです。そのため全く同じ種類のブドウを作り続けるには、挿し木という方法が用いられます。
挿し木とは、育てたい植物の一部を切り取って、根を出させ、それを苗として育てる方法です。種から育てるよりも早く育つので果樹では多くの場合、挿し木法で増やしていきます。挿し木によって増やした植物は同じ遺伝子を持つので、巨峰なら巨峰といったように、いつも同じ性質を持ったブドウが実ります。
| Q40. | ピオーネの枝の部分に白い綿のようなものがついているのですが、これは何ですか?直接実についているわけではありませんが、枝から実にかけての部分にふさふさとついています。 |
|---|
白い綿のようなものは、カイガラ虫が脱皮したあとではないかと思われます。実の部分についていなければ、食べても大丈夫です。
また、これとは別に、ピオーネや巨峰などの実の表面に白い粉がついていることがありますが、これはブドウの糖分が果皮に出てかたまったもので、「ブルーム(果粉)」といわれます。天然成分であり、むしろ新鮮な証拠ともいわれるので、もちろん食べても大丈夫です。
| Q41. | メロンの網目模様はどうやってできるのですか? |
|---|
メロンが成長してある程度の大きさになると、皮の成長が止まってしまいます。しかし、実は成長を続けて大きくなろうとするので、皮が割れてヒビが入ります。その割れ目を保護しようと、割れ目に沿って果汁がしみ出してカサブタのように固まるのです。これを繰り返すうちに、あの網目模様ができあがります。
| Q42. | リンゴはなぜ赤くなるのですか? |
|---|
赤いリンゴは、実が熟していない時は、クロロフィルという色素によって緑色をしていますが、熟すにつれて、クロロフィルが少なくなり、アントシアニンという赤色の色素が増えるために赤くなります。青リンゴは、熟してもクロロフィルの量があまり減らないので、甘い食べ頃になっても緑っぽい色のままなのです。
| Q43. | 蜜入りリンゴは人工的に作っているのですか? |
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完熟したリンゴの果肉や果心部に、あめ色の蜜が入っているものがあります。この蜜は、注射器などで人工的に注入しているのではありません。果 実の成熟に伴って現れる生理的な現象で「蜜症状」ともいわれているものです。とくに蜜症状が出やすいのは、「ふじ」や「スターキング・デリシャス」などのデリシャス系の品種です。
リンゴやナシなどのバラ科の植物は、葉で光合成された糖質をソルビトール(果実や海藻などに広く存在しているが、工業的にはブドウ糖に水素を添加して製造されている)の形で果実内に運び、そこで酵素の作用により、ブドウ糖、果糖、ショ糖などに変換され、蓄積されます。ところが、果 実の成熟が進むと、ソルビトールを他の糖に変換する酵素の活性が低下し、その結果、果実内にソルビトールが集積することになります。ソルビトールは浸透圧が大きいため、周辺組織の水分を引っぱる力が強く、果肉が水浸状になります。これが蜜症状を起こす原因と考えられています。ソルビトールの甘味は、ショ糖の60%ほどですから、蜜自体は淡白な甘味ですが、蜜が入るようなリンゴは全体に糖度が高いので、蜜入りリンゴは甘くおいしいと、日本では大変好まれています。しかし、その果肉はどうしても柔らかみを帯びてきますので、歯ごたえのあるリンゴを好む西洋では、甘くてソフトな蜜入りリンゴはあまり歓迎されません。
なお、ソルビトールは、甘味と保湿性を有することから、加工食品、化粧品、医薬品などに広く用いられている他、ビタミンCを合成する際の原料としても利用されています。
| Q44. | 果物を食べた時に、苦味や渋味を感じることがありますが、農薬が残っているのか気になります。 |
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果物に天然に含まれる苦味や渋味成分によるものと思われます。果物の苦味成分としては、グレープフルーツのナリンギンやかんきつ類全般に含まれるリモニンなどが知られています。適量の苦味は、味に深みを与えたり、果物特有の風味をつくり出しますが、人によっては、苦味を強く感じることもあるようです。
一方、渋味成分としては、渋ガキや未熟な果実に多く含まれるカテキン類があります。果物に含まれる主なカテキン類は、カテキン、エピカテキン、プロアントシアニジンなどです。渋味とは、収れん性の刺激で、舌の粘膜たんぱく質を凝固させるような物質によっておこる感覚です。強すぎると不快感を与えますが、わずかな渋味は独特の風味となります。
これらの苦味、渋味成分は、一般的に果実の未熟なうちは量が多く、熟するにつれて徐々に減少していきます。しかし、同じ熟度の果物を食べたときでも、どの程度の苦味を感じるかは人それぞれですし、そのときの体調によっても味の感じ方は異なります。栽培中の天候による生理障害で、通常より苦味、渋味成分が多くなることもあるようです。
果物をおいしく食べるには、適度に熟したものを選ぶことが大切です。なお、食べごろの果実でも、果実に含まれるたんぱく質分解酵素が、舌にピリピリした感覚を与える場合もあります。
| Q68. | アボカドにはコレステロールが含まれていないというのは、本当ですか? |
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アボカドには脂質が多く、100gあたり18.7gも含まれているので、"森のバター"とも呼ばれています。それだけに、コレステロールも多いのではないかと思われてい るようです。ところが、実際は、ほとんど含まれていないのです。五訂日本食品標準分析表によると、アボカドのコレステロールは「Tr」と記載されています。これは、Traceの略で「微量」ということです。
アボカドの脂質は、80%が不飽和脂肪酸で、血液中の悪玉コレステロール(LDL)を低下させ、善玉コレステロール(HDL)のほうは下げないという米国テキサス大学の報告により、一躍注目を集めました。オリーブ油の人気が上昇したのも、このためです。コレステロールは、生体にとって必要なものですが、過剰摂取は動脈硬化を促進させるといわれているだけに、適量の摂取を心がけることは大切です。また、食物繊維 には、血液中のコレステロール値を改善する効果が認められているので、果物や野菜、海藻などを積極的に摂るようにしましょう。
| Q69. | 「果物は野菜の代わりにならない」というのは本当ですか? |
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果物も野菜も、ビタミンやミネラル、食物繊維を豊富に含む食品です。したがって、果物は栄養的には野菜と同じ価値があるので、食事の仕方やメニューによって、果物も野菜の代わりに利用できるといってよいでしょう。
例えば、忙しい朝でも、手間のかからない果物によって、不足しがちな栄養がとれます。昔から「朝の果物は金」といわれてきたのは、まさに名言です。また、夕食に魚や肉などの動物性食品をとって、野菜の量が少ない場合、果物を食べることによって、不足する栄養素を補給できます。外食の多い人やテイクアウトの食事に依存している人にとっても、果物の価値は「金」といえるでしょう。ところで厚生労働省では、従来から適正な食生活を実践するための目安として、「6つの基礎食品群」の活用をすすめています。これは、栄養素の類似している食品を6群に分類し、これらの食品をもれなく組み合わせて、1日30食品を目標に食べると、栄養素をバランスよく摂取できるというものです。

果物は、「6つの基礎食品」の第4群にその他の野菜(緑黄色野菜以外の野菜)および果物として分類されており、主としてビタミンCやミネラルの供給源として重要であると述べられています。それだけでなく、かんきつ類やパパイヤ、カキ、アンズなどにはたくさんのβ−カロテンも含まれています。食物繊維の量は野菜のほうが豊富ですが、野菜は不溶性の繊維の割合が多く、果物は水溶性の繊維の割合が多いという特徴があります。なんといっても、果物の最大の利点は生で食べられるので、ビタミンやミネラルを調理によって損失することなく摂取できるということと、手軽に食べられるという点です。
また、アメリカでは、1990年に制定された「栄養表示・教育法」の中で、果物を野菜と同列に位置づけ、毎日2〜4サービング(※)摂取することを推奨しています。近年になって、果物のさまざまな効能が明らかになり、注目されています。例えば、みかんのβ−クリプトキサンチンやグレープフルーツのオーラプテンの発がん抑制効果や、かんきつ類の香り成分であるリモネンの鎮静作用などです。
果物や野菜に限らず、食品に含まれている栄養成分の種類や量は、それぞれ異なります。偏った食事をすれば、偏った成分しか摂取できません。多くの種類の食品をバランスよく食べることを心がけましょう。

望ましい食事の目安量がピラミッドで表現されている。ピラミッドの底部に近いほど目安量が 多く、頂上にいくほど少ないことを意味する。果物、野菜は穀類の次に多く摂取することが望ましいとされている。
(※)サービングは、一般家庭で1食に食べる量 。果物の1サービングは、リンゴ、オレンジ、バナナなどは1個、メロンなら1切れ、ジュースなら3/4カップです。
| Q70. | ストレスによって体内のビタミンCが消耗するので、新鮮な果物や野菜をたくさん食べるようにといわれますが、どうしてですか? |
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現代の高度な情報化社会において、私たちは常にさまざまなストレスにさらされています。
ストレスとは、一般に外部から加えられる刺激によって起こる反応のことをいいます。生体に外部から刺激がかかると、まずその刺激を脳がキャッチし、体の内部器官に影響を与えず、一定の状態を保つために、大量の副腎皮質ホルモンを血中に分泌させます。副腎皮質ホルモンは、体内の脂肪やたんぱく質からエネルギーを作り、血圧を上昇させて、ストレスの解消に努めます。ところが、副腎皮質ホルモンを合成するときには、多くのビタミンCが必要なので、体内のビタミンCが消費されてしまいます。その結果、白血球中のビタミンCも減少し、免疫レベルが低下するため、感染症をはじめいろいろな病気に対する抵抗力が弱くなります。
多くの動物は、ビタミンCを体内で合成しますが、人間やサルなどは合成することができません。したがって、ストレス社会に生きる現代人は、ビタミンCが不足しないよう十分に摂取する必要があります。ビタミンCは、新鮮な果物や野菜に多く含まれますが、水に溶けやすく、熱や酸素にも不安定なため、調理による損失が大きいのが難点です。しかし、そのまま生で食べる果物は、損失がなく最適な供給源です。
なお、喫煙者の血清および白血球中のビタミンC濃度は、かなり低いことが認められています。また、加齢に伴って、血液や副腎、脳、眼球などに含まれるビタミンCも減少することが知られています。ですから、喫煙者や高齢者は、とくにビタミンCを多く含む食品を積極的に摂るようにしましょう。
1食分の量(目安) |
1食分のビタミンC含有量(mg) |
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|---|---|---|---|
果物 |
イチゴ |
5〜6個(100g) |
80mg |
キーウィフルーツ |
1個(100g) |
80mg |
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ネーブルオレンジ |
1/2個(100g) |
60mg |
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グレープフルーツ |
1/2個(125g) |
50mg |
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野菜 |
ブロッコリー |
1/3株(50g) |
80mg |
ジャガイモ |
中2/3個(85g) |
20mg |
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パセリ |
1/2本(5g) |
10mg |
| Q71. | 野菜と果物はどのように区分されていますか? |
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果物については、洋の東西を問わず、健康によいという格言や、有名なエピソードが数多く伝えられてきました。ところで果物は野菜と、どのように区別されているのでしょうか。
農林水産省では、一年生草本類から収穫される果実は「野菜」、永年生作物などの樹木から収穫される果実は「果物」と分けています。一年生草本とは、一年以内に栽培を繰り返す作物のことで、果実を収穫すると枯れてしまう作物のことです。したがって、イチゴやスイカ、メロンなどは、毎年タネをまいて栽培するので「野菜」ということになります。
一方、永年生作物とは、何年間にもわたって栽培する作物の中で、枝や幹、茎が硬く、木質化するものをいいます。この永年生作物から収穫するミカンや、リンゴ、ナシなどが果物です。なお、熱帯性作物のバナナやパイナップルは、茎が木質化しませんが、果物として扱われています。
また、多くの商品について商品分類を行っている総務庁でも、農林水産省の分類と同様、イチゴやメロンなどは野菜として位置づけていますが、流通、消費形態によってはさらに細かく、果実的野菜として分類されています。
しかし、科学技術庁(現文部科学省)が編纂した日本食品標準成分表では、果実類の分類として「この食品群には、原則として木本性植物(永年生作物)から収穫されるものを収載したが、草本性植物から収穫されるものであっても、通常の食習慣においてデザートとして食べられるものは収載した。」と記されており、イチゴやスイカ、メロンは「果物類」に分類されています。
やはり、実生活の感覚では、イチゴやメロンが野菜となると、どうも違和感があります。一般的には、副食(おかず)として食べるものを「野菜」、食後のデザートとして食べるものを「果物」と、区別しているようです。したがって農林水産省の定義によれば「野菜」となるイチゴも、通常はおかずではなくデザートとして食べるので、「果物」になります。
| Q72. | 調理によって野菜や果物の栄養成分はどのくらい失われるのですか? |
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野菜や果物に含まれる栄養成分の中で、調理によって損失しやすいのは、水に溶けやすく不安定な性質を有するビタミンやミネラルです。特に、抗酸化作用があり感染症の予防にも効果のあるビタミンCと、血圧の上昇を抑制するカリウムについて、調理による損失をみてみましょう。
ビタミンCもカリウムも水溶性の成分ですから、包丁で野菜を切るだけでも、破壊された組織から出る水とともに一部流出してしまいます。細かく切るほど損失量は多くなります。さらに水にさらしたり、ゆでたりすると調理時間が長いほどたくさん流出して、ゆで汁にかなり移行したり、加熱によって破壊されてしまいます。
また、ビタミンCは、野菜を細かく刻んだり、おろしたりすると、空気中の酸素によって酸化され、時間が経つにつれて効力を失っていきます。野菜をゆでたときのビタミンCやカリウムの損失率は、野菜の種類によって異なりますが、こまつな、しゅんぎくなどの菜類、もやしなどは損失量が大きいようです。ゆで汁への移行が大きいものは、なるべく煮汁も利用できる調理法を工夫するか、ゆで時間をできるだけ短くするように注意しましょう。
以上のように、調理することによって最終的に私たちの口に入るときには期待できるほどの栄養素が含まれていないこともあるので、注意が必要です。一方、調理せずにそのまま食べる果物の場合は、ビタミンCやカリウムなどの損失が少なく、本来持つ栄養素を確実に摂取することができます。そのまま食べずに、カットしたり、ミキサーでジュースにするなどの調理をする場合には、すぐに飲食するようにすると、損失量も少なくてすみます。
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表1、表2とも女子栄養大学出版部「四訂食品成分表」から作成
| Q73. | 米国でも新しいフードガイドピラミッドが発表されたそうですが? |
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A.2005年4月に、「より健康になるためのステップ」として、「マイ・ピラミッド」が紹介されました。
フードガイドピラミッドは、1992年に米国農務省が作成した「米国人のための食生活指針」をわかりやすく国民に伝えるために公表されたものです。これはピラミッド型のデザインで、一番下の面積の広い部分に穀類などを配置して6〜11サービング摂取するとし、上にいくにつれて野菜3〜5サービング、果物2〜4サービング、肉・魚類と乳製品はそれぞれ2〜3サービングと少なくなり、一番上には、なるべく控えたいものとして油と甘いものが示されていました。
フードガイドピラミッドは、米国で広く活用されてきましたが、望ましい食品摂取のあり方は本来は年齢、性別、運動量などによって異なり、一つのピラミッドでは示しにくいという問題がありました。
そこで、このほど発表されたものが、食事と運動の組み合わせが重要であることを表した"マイ・ピラミッド"です。マイ・ピラミッドでは、ピラミッドを横の階層ではなく、縦に分割しており、穀類はオレンジ色、野菜はグリーン、果物は赤、乳製品はブルー、肉・魚・豆類は紫などのように、食品を色で分けています。また、各食品の横幅が、望ましい摂取量の割合を表現するデザインとなっています。
マイ・ピラミッドは双方向性があり、インターネットで年齢、性別、運動量を入力すると、それに応じた食品摂取のアドバイスを得られることも特徴です。
日本型の「食事バランスガイド」(特集参照)は、マイ・ピラミッドに2か月ほど遅れて発表されたものですが、走る人のイラストによって運動の重要性を示している点、野菜と果物を十分に摂ることを勧めている点は、米国と共通しています。
| より詳しい情報はこちらから |
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| 米国農務省のマイ・ピラミッドのコーナー |
| Q74. | 最近注目されている「葉酸」とはどのような栄養素ですか? |
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葉酸は、ビタミンB群に属する水溶性のビタミンです。
正常な赤血球をつくるために重要な役割をもち、不足すると貧血になることがありますが、過剰な場合に発症する疾患は特に知られていません。
平成12年12月28日に厚生労働省(当時厚生労働省)は、妊娠可能な年齢の女性に対して葉酸を摂取することの重要性を呼びかけるよう、都道府県や全国の医療関係者に要請しました。
これは、諸外国の疫学研究において葉酸の摂取によって二分脊椎(※)などの神経管閉鎖障害の発症リスクが低減するという結果が報告されていること、欧米を中心とする国々で1990年代より妊娠する可能性がある女性などに対し、葉酸摂取量の増加が勧告されていること、日本ではこれまで低かった二分脊椎の発症率が近年増加傾向にあること、食生活の多様化、欧米化により葉酸摂取量の減少が懸念されることなどを考慮して、日本でも神経管閉鎖障害の発症リスクを低減するために、妊娠可能な女性などに対して適切な情報提供を行おうとするものです。
これにより、妊娠を計画している女性に関しては、妊娠の1か月以上前から妊娠3か月までの間、葉酸をはじめビタミン類が多く含まれるバランスのとれた食事に加え、いわゆる栄養補助食品を利用して、1日0.4mgの葉酸を摂取することを推奨しています。
なお、葉酸の所要量は、「第六次改定日本人の栄養所要量」において、成人の場合0.2mg/日、妊婦はその2倍の0.4mg/日と定められていますので、妊娠4か月以降も0.4mg摂取することが望まれます。
平成10年度「国民栄養調査」によると、葉酸の摂取量は若い人ほど少ない傾向にあります。葉酸は、最初ほうれん草から抽出されたことからその名がついたように、緑黄色野菜や果物に多く含まれています。葉酸は水溶性で熱に弱いので、調理の過程でゆで汁に溶出したり、加熱によって50%近くが分解したりして失われてしまいますが、一般成人の場合、野菜や果物を十分とれば所要量を満たせるとされています。下の表に葉酸を多く含む野菜と果物を示しますので、参考にしてください。
(※)二分脊椎・・・生まれつき脊椎に生じる病気で、脊髄が脊椎の外に出てしまい、運動機能障害などが起こる。
| Q75. | 果物に含まれる非栄養素が、体内で白血球の働きを強めて活性化する力があるそうですが、調理方法によって変化するのでしょうか。 |
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A.ポリフェノールのように加熱しても変化しないものもあります。
ポリフェノールなどの非栄養素は安定した成分であり、100℃で10分、30分煮ても壊れず、白血球の働きを質的にも量的にも活性化して、免疫力を高める働きをします。
栄養素の中には熱に弱いものがあり、ビタミンCなどはその代表といえますし、カリウムなどの水溶性成分も調理によって多少損失します。そのため、野菜は生でとったほうが良いと思われがちですが、非栄養素や食物繊維なども含めて総合的に考えると、必ずしも生のほうが良いとは限りません。非栄養素についてはわかっていないことも多く、研究が進められていますが、火を通したほうが細胞の構造が壊れて抗酸化物質が効率よく出てくることや、酸化物質をつくる酵素が熱で分解し、抗酸化作用が強化されることもあるということです。
生、ゆでる、煮る、焼く、炒める、などいろいろな調理法をとることで、多様な食品を楽しめることになり、一日に350gの野菜、200gの果物を摂取するという目標に近づけるのではないでしょうか。
| Q76. | 果物を食べると太る? |
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「甘い果物は、糖分が多く含まれているから、食べると太る」という印象を持っている方が多いようですが、食べ過ぎない限り、果物で太るということはありません。果物の重量の多くが水分であり、エネルギー量の多い脂質をほとんど含んでいないため、カロリーとして見ると低いのです。
例えば、桃は100グラムあたり40キロカロリーで、一個が200グラムぐらいですから、一個あたり80キロカロリーぐらいになります。甘さの強さとカロリーは必ずしも一致しません。
果物にはビタミン、ミネラル、食物繊維など身体に良い成分が多く含まれているので、お菓子を食べるよりずっと美容と健康に良いといえます。
| Q77. | フルーツの一番甘い部分はどこですか? |
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一般的には、フルーツの頭(へたがある部分等)よりも尻の部分、内側よりも皮側の部分が甘いとされています。
しかし、スイカやメロンは種の周りが一番甘く、皮に向かうほど甘みが弱くなります。また、カキでは頭の方が甘く、モモでは尻の部分の甘みが弱くなると言われています。こういったように、いろいろな場合があるようです。
| Q78. | 果物の香りはどんな成分なのですか? |
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食品の「香り」は鼻で感じるだけでなく口の中で感じる「味」と密接な関係があります。ですから、香味ともいわれるように、香りはおいしさを左右する重要なファクターです。
ところで、果物の香りには、動物を誘引する目的があると言ってもよいでしょう。種子がまだ未熟なうちは、動物に食べられないように、あまり香りがなく、組織も堅く、苦味や渋味で自分を守っています。しかし、成熟するにつれて、組織が柔らかくなり、美しく色づき、甘味を増して香りを発します。この香りにひかれて動物がその果物を食べると、種子は消化されずそのまま排泄されます。この種子は、やがて芽を出し、新しい果樹となります。果物は、子孫繁栄のために香りを手段として動物を利用しているのです。
この香り成分は、果物の成熟に伴う生理作用によって、生成されます。つまり果物が成熟すると、細胞に供給される酸素が不足するため、呼吸が不完全となって、アルコールを生じます。これが果物中の有機酸と結合して、よい香りのするエステルが作られます。
といっても、果物の香りは単一のものではありません。多数の成分の複雑な組み合わせによってそれぞれの果物特有の香りが醸し出されるのです。かんきつ類の場合は、香り成分は皮に多く含まれる精油中に溶け込んでいます。その主な成分はリモネンです。リモネンは弱いカンキツ様香気を有する炭化水素です。残りの成分は、アルコールやエステルなどで少量でも強い香りがあり、各かんきつ類を特徴づけます。
さわやかな果物の香りは人の心に働きかける作用もあるので、アロマテラピー(芳香療法)などにも利用されています。果物は、熟しすぎると香りが悪くなり、酸臭やアルコール臭などがでてくるとともに、微生物の繁殖により腐敗臭も発生してきます。果物は食べごろを見分けて、香りを楽しみながら、おいしく召し上がってください。
| Q79. | 店頭で果物に糖度の表示がされているのを見かけますが、糖度が高いほどおいしいのですか? |
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糖度は、甘味を判断する目安になります。しかし、果物のおいしさを決めるのは、糖度だけではありません。酸味、香り、肉質も重要なファクターです。なかでも甘味と酸味、つまり糖と酸のバランス(※)が果物のおいしさを左右する最大の要素です。
糖度は、ある程度までなら濃度が高くなるほど嗜好性もよくなりますが、酸味は、濃度が高くなるほど嗜好性が低下する傾向があります。したがって、あまり酸味の強すぎる果物は敬遠されがちです。だからといって、糖度が高く甘いだけの果物は、味に深みがなく、食味も劣ります。糖含量と酸含量は、果物の種類によって異なりますが、それぞれある範囲内に分布していると、食味が著しく向上するといわれています。このように糖度と酸味の絶妙な組み合わせにより、果物の味は引き立ち、香りや肉質の効果もあって、おいしく感じられるのです。
なお、果物の甘味に関係する糖には、ショ糖、果糖、ブドウ糖があります。甘味の強さはショ糖を100とした場合、果糖170、ブドウ糖70くらいです。これらの糖の構成比は、果物の種類によって異なり、果物の成熟過程でも変化します。また、酸味を呈する成分は、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸などの有機酸です。
(※)糖と酸のバランスの目安として糖酸比(糖度/酸含量)が使用されます。
糖含量(%) |
酸含量(%) | 糖度 |
|
|---|---|---|---|
リンゴ |
11.0 |
0.35 |
12.5 |
オレンジ |
8.5 |
0.8 |
11.0 |
メロン |
8.0 |
0.08 |
10.5 |
イチゴ |
5.0 |
0.85 |
7.0 |
参考文献:「果実の科学」朝倉書店
| Q80. | 果物はどうして冷やした方が甘く感じるのですか? |
|---|
果物には、ショ糖、ブドウ糖、果糖などの糖が含まれています。
種類によって糖の甘さは異なり、ショ糖の甘味度を1とすると、ブドウ糖は0.64〜0.74、果糖は1.15〜1.73の甘みがあります。
果糖の甘味度は糖類の中でも最も強い部類に入り、冷やすと甘みを増します。果糖にはα型、β型があり、β型果糖の甘味度はα型果糖より約三倍高く、冷やすとβ型果糖が増えます。このため、果物を冷やしたほうがより甘みを感じるようになるのです。
しかし、熱帯性や亜熱帯性の果物の多くは、冷やすと低温障害を受け、果皮や、果肉に褐変を起こす等します。冷蔵庫に入れっぱなしにするのではなく、食べる少し前に冷蔵庫に入れ、冷やした方が美味しくなります。
| Q81. | 果物の皮の毛は、何のためにはえているのですか? |
|---|
キウイ、ビワ、モモなどのように、果物の中には皮に毛がはえているものがあります。この毛のようなものを、正式には「毛じ」といいます。
果物の皮の毛が何のためにはえているのか、確かな事はわかっていません。ですが、水をはじいたり、直射日光によって日焼けするのを防いだり、風で葉や枝とこすれて傷つくのを防いだりと、果物を保護する役目があると考えられています。
| Q82. | 食べかけの果物や切っておいた果物の色が変わるのはなぜですか? |
|---|
食べかけや切っておいた果物の色が変わるのは、果物の中にあるポリフェノールが空気中の酸素と結びつくためです。皮をむいたり切ったりして細胞がこわれると、酵素が働いてポリフェノールと酸素が結びつき、例えばバナナではメラニン、リンゴではキノンという茶色い物質が作られます。このようにして色が茶色く変わることを褐変といいます。果物だけでなく野菜でも起きます。
レモンやキウイフルーツなどのようにビタミンCがたくさんある果物は、ビタミンCがポリフェノールと酸素との結びつきを邪魔するため、長時間褐変しません。
| Q83. | 果物の色の成分とは、どんなものですか? |
|---|
よく熟れた果物の色は美しくて、みずみずしく、見るからにおいしそうです。このように果物の色は、熟度を判定する一つの指標でもあります。ところで、果物の色はどんな成分からできているのでしょう。そして、未熟なうちは緑色なのに、成熟するとどうして美しい色になるのでしょうか。果物に含まれている色素の種類は、主にクロロフィル、カロテノイド、アントシアン、フラボノイドなどですが、共存している色素などによって、それぞれ果物固有の色調を呈しています。
● クロロフィル : |
葉緑素とも呼ばれる緑色色素で、カロテノイドと共存しています。しかし、未熟な果実ではカロテノイドの含有量はごくわずかで、クロロフィルのほうが多いために緑色をしています。 |
● カロテノイド : |
かんきつ類などを彩る黄、橙、赤色の色素です。カロテノイドによって色づく果 実は、未熟な段階ではクロロフィルによって緑色をしていますが、成熟するとクロロフィルが分解し、カロテノイドの量が増加して、赤や黄色を呈するようになります。 |
● アントシアン : |
赤、紫、青などを示す色素で、ブドウやリンゴ、イチゴ、チェリー、モモなどに含まれます。果実中に含まれるアントシアン系の色素は、ポリフェノールの一種で、分子中の成分との結合状態や生育温度、水分の多少、日照条件、品種などによって、特有の色を呈します。 |
● フラボノイド : |
グレープフルーツやレモンなどの果肉に含まれる無色や淡黄色の色素で、アントシアンと同様にポリフェノールの一種です。グレープフルーツのナリンギンなど、苦味をもつものもあります。 |
果物の色素成分についての研究はまだ始まったばかりですが、老化防止やがん抑制などの効果があることが分かってきています。鮮やかに色づいた果物には、ビタミンやミネラルの供給源としてだけでなく、次のようなさまざまな効能が期待できます。
(※)カロテノイド系色素の多くは、がんや生活習慣病を予防する抗酸化作用を有します。特にかんきつ類などに含まれるβ-カロチン、果肉が赤橙色のパパイヤや柿、スイカ、ルビー色のグレープフルーツなどに含まれるリコピンは、抗酸化物質として注目されています。
(※)アントシアンは、抗酸化作用、動脈硬化抑制作用、がん予防などに効果的であるとの報告がなされています。ブルーベリーの紫色の色素もアントシアンです。この色素には視力回復、眼精疲労改善の効果 があるといわれています。こうした目への効用は、英空軍パイロットが「ブルーベリージャムを食べると薄明かりの中でも物がよく見えた」と証言したことから、研究されるようになったとのことです。
(※)フラボノイド系色素には、毛細血管を保護し調整する機能のあるものが多く確認されており、欧州では医薬品として利用されています。
| Q84. | ジャムを作りやすい果物は、どのようなものですか? |
|---|
ジャムは、果物に砂糖を加えて、ゼリー化するまで加熱して作ったものです。しかし、どんな果物でもジャムができるわけではありません。ジャムを作るためには、原料となる果物に、適度な酸味とゼリーのように固まる成分=ペクチンが多く含まれていることが条件です。
ジャムを作るには、ペクチンの含有量が0.5〜1.5%程度で、pHが3.0〜3.5のものが適しているといわれます。果物に含まれている有機酸には、クエン酸やリンゴ酸、酒石酸などいろいろありますが、ジャムを作る場合は、酸の種類ではなく酸度(pH)が影響します。したがって表に示したような果物が、ジャム作りに適した条件を備えていることになります。また、ペクチン含量の少ない果物でも、ペクチンの多い果物を混ぜてミックスジャムにしたり、酸が少ない場合ではレモン汁を加えることで、ジャムを作ることは可能です。
ただし、同じ果物でも、ペクチン含有量は熟度によって大きく変化します。未熟な果実では、ペクチンは水に溶けないプロトペクチンという形態になっており、そのままではゼリー状にならずジャムの材料として利用できません。
果実がだんだん熟してきて、酵素の働きにより、プロトペクチンが水に溶けるペクチンに変わってくると、ゼリー状の網目構造を作る性質が発揮されてジャムになるのです。さらに果物は熟しすぎてしまうと、果実の組織が軟化してペクチン自体がバラバラに分解され、ゼリー状になる能力を失ってしまいます。
そのため、熟しすぎた果実も、ジャムの材料として用いることはできません。このようにジャムを作る場合には、果物の種類だけでなく、その熟度も重要となるのです。なお、ペクチンは食物繊維の1つで、植物の細胞壁に存在し細胞組織を維持する重要な役割を果たしています。
果実 |
ペクチン |
ph |
|---|---|---|
アンズ |
0.5%以下 |
3.3〜3.4 |
イチゴ |
0.5%以下 |
3.4〜3.8 |
ブドウ |
0.7%内外 |
3.2〜3.8 |
モモ |
1%内外 |
3.8〜4.5 |
リンゴ |
1%内外 |
3.2〜3.7* |
* は紅玉の場合
同文書院「調理と理論」より作成
| Q85. | 野菜や果物を家庭で冷蔵庫に保存するとき、ポリ袋に入れたほうがいいのはなぜですか? |
|---|
野菜や果物を、裸でそのまま冷蔵庫に入れておくと、みずみずしさが失われてしおれてきたり、傷みが早くなったりします。
青果物は収穫された後も生きているので、空気中の酸素(O2)を吸って、二酸化炭素(CO2)を吐き出す呼吸作用を行っています。この呼吸作用により、青果物中の成分が消耗されるだけでなく、呼吸に伴う蒸散作用で水分も減少するため、鮮度が低下します。
そこで、青果物をポリエチレンの袋(ポリ袋)に入れ、密封してから冷蔵すると、これらの作用を抑え、鮮度の低下を遅らせることができます。ポリエチレンフィルムは、水分の透過性は小さいのですが、ガスは比較的よく通す性質があるので、青果物の保存に最適です。青果物をポリ袋に密封すると、まず袋の中のO2を吸収し、CO2を吐き出すため包装内は徐々に低酸素・高二酸化炭素状態になってきます。しかし、外気中のO2が少しずつ袋内に入り、逆に袋内のCO2が外へ出ていき、最終的に袋内は適度な低酸素・高二酸化炭素状態となります(図参照)。しかも、袋内は蒸散した水分で高湿度・低温の状態ですから、青果物の呼吸は最低限に抑えられ、鮮度の低下を遅らせることができるのです。
このようにポリエチレンなど、水分の透過性が低く、適度なガス透過性があるフィルムで包装することにより、鮮度を保持する方法をMA(Modified Atmosphere)包装といいます。CA貯蔵(食のキーワード参照)に比べ、MA包装では厳密に空気組成を維持することは困難ですが、家庭での有効な鮮度保持法といえるでしょう。
最近は、冷蔵庫の野菜室を密閉状態に設計し、青果物の蒸散作用で発生した水分で野菜室を高湿度に保持する、高湿度野菜室のものも出回っています。しかし、国民生活センターのテスト結果によると、やはりポリ袋に入れて保持するほうが、水分の減少率が少なく、みずみずしさが保たれたということです。

| Q86. | 種のない果物でも大きくなるのはなぜ? |
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果物の多くは、受粉、受精して種ができることで実がつき、大きくなります。しかし、温州ミカンやカキなどのように、受粉しないか、受粉しても受精をしないで実が大きくなる果物もあります。これを、単為結果と言います。
また、人の手を加えることで種をなくす方法もあります。例えば、種なしのブドウを作るにはジベレリンという物質を開花前と開花後の二回、花につけます。開花前の処理をすることで受精をせず、種なしになります。しかし、このままでは実が大きくならないので、開花後にも処理を行います。
| Q87. | 種なし果物は、どのようにして作られるのですか? |
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種なし果物といえば、ブドウ、スイカ、ミカン、グレープフルーツなどがあげられます。これらは、どのようにして出来るのでしょうか。
種なしブドウは、ジベレリン処理によって作ります。ジベレリンは、植物自身が本来持っている成長ホルモンの1種ですが、農薬(植物成長調整剤)としても利用されています。一般的に植物は、めしべの柱頭に花粉が付着して受精が起こると、花のある器官(子房など)が肥大し、種子の入った果実を作ります。ところが、ブドウの開花前に、コップにジベレリンを入れ、花穂を浸すなどの処理をすると、種なしの果実ができます。しかし、果実が著しく小さくなるため、満開後にもう一度ジベレリンで処理し、もとの大きさと同じくらいに肥大させます。こうすると、収穫期が3週間ぐらい早くなりますし、粒数が増えるので収量も多くなります。日本で、この生産技術により栽培されているブドウは、「デラウエア」がほぼ100%、その他「ピオーネ」、「巨峰」、「マスカット」にも利用されています。
スイカの場合はブドウとは異なり、染色体数を変えて作る方法です。種のあるふつうのスイカは、染色体を基本数の2倍持つ2倍体です。この2倍体のスイカの成長点(苗の先端)に、コルヒチン(ユリ科植物に含まれるアルカロイドの1種)を作用させると、4倍体のスイカができます。さらに、このスイカのめしべに2倍体スイカの花粉をつけると、3倍体のスイカの種ができます。3倍体スイカは、染色体の分裂が不規則になるために種を作る能力がありません。そのため3倍体スイカの種を植えると、種なしスイカになるのです。しかし、種なしスイカは手間がかかるなどの理由から、現在ではあまり作られていません。バナナが種を持っていないのは、3倍体だからです。
また、温州ミカンやカキ、パイナップルなどのように、受粉しないか、受粉しても受精しないで、子房が肥大し、種なし果実になるものがあります。このような現象を、「単為結実」といいます。
| Q88. | 一番珍しい果物はなんですか? |
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「珍しい」にも色々ありますが、外見の珍しさでは、熱帯原産の果物があげられます。例えば日本の果物ではまず見かけない色や形で目を引くキワノ。全体に棘のような突起がある黄色の実を切ると、内側は鮮やかな緑色です。ドラゴンフルーツも、花のつぼみのような果実の中は、真紅に近い濃いピンク色のものもあり、果肉に散らばった小さな黒い種とともに印象的です。
熱帯原産の果物に限らず、色々な種類の果物が世界各国から輸入されています。マンゴーひとつをとってみても、産地や品種によって黄色いもの、赤いもの、平べったいもの、丸いものと、色や形が様々で、最近では緑色のグリーンマンゴーといった珍しいものも輸入されています。
| Q89. | スペイン原産の果物は、現在、日本に輸入されているのでしょうか? |
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例えばキウイフルーツは中国原産の果物といわれていますが、このように起源をスペインに持つ、スペイン原産の果物にどんなものがあるのかはよくわかっていません。一方、スペインで生産された果物は日本に輸入されており、農林水産省の植物検疫統計によると、スィートオレンジ、レモンなどの柑橘類が主なものです。
| Q92. | フルーツで夏バテ予防はできますか? |
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一般的に夏バテの要因は(1)体内の水分とミネラルの不足、(2)暑さによる消化機能の低下、栄養不足、(3)暑さと冷房による冷えの繰り返しと考えられています。予防には、きちんと食事をとり、冷房にあたりすぎないことが基本となります。
フルーツでは、アボカドやバナナからカリウムなどミネラルを、メロンやすいかから水分をとることができます。爽やかで食べやすいフルーツで栄養や水分を補うのも良い方法かもしれません。